デフォルトとは?ー発行体が潰れたら元本はどうなる?

  • 2019年10月24日
  • 2019年10月22日
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債券投資で一番大きいリスクがデフォルトリスク(債務不履行リスク)です。デフォルトが起こると、元本が返ってこない可能性があるからです。

この記事では、デフォルトの定義と、過去のデフォルト時に元本がどうなったかについて解説します。

デフォルトとは

デフォルトとは、債券の償還や利払いが約束どおりに行われないことで、「債務不履行」ともいいます。企業の破綻や国の資金繰りの悪化などによってデフォルトは起こるのです。企業が発行する社債だけでなく、国が発行する国債でもデフォルトリスクはあります。

債券に投資している投資家にとっては、予定していた金利が支払われないほか、額面金額の一部もしくは全部が返済されない可能性があります。

デフォルトは格付けで判断材料する

格付けとは、債務が履行される確実性を、第3者機関である格付会社が判断して行うことです。

米国のムーディーズやS&P(スタンダード&プアーズ)、フィッチ、日本のR&I(格付投資情報センター)やJCR(日本格付研究所)などが有名です。

格付会社によって異なりますが、AAA(トリプルA)が最上位で、以下安全度に応じてB・C・Dと格付けがつけられていきます。BB以上は投資不適格債(ハイイールド債)とされ、格付けが低い債券ほどデフォルトになる可能性は高まります。

デフォルトは、完全に支払いができなくなるケースだけでなく、返済期限の繰り延べ(リスケジュール)も含まれます。大型の案件では、債務の削減交渉などが行われ、債務の一部カットなどが行われる場合もあるのです。

格付けによるデフォルト率

大手格付け機関のS&Pは、毎年デフォルトに関する調査結果を発表しています。

調査対象はS&Pが格付けてしている全世界の約2万の発行組織です。2015年からの推移を見てみましょう。

出典:S&P Global Rating

投資適格はBBB以上で、デフォルト率は低くなっています。A格以上のデフォルトはありません。しかし、BB格以上ではデフォルトが増え、CCC格以下では高いデフォルト率になっていることが分かります。

デフォルトを避けるためには、安全度が高いA格以上に投資するようにした方が無難です。ただし、途中で格下げの可能性もあることには注意しましょう。

社債のデフォルト

社債は、銀行融資に比べて、中長期の資金調達をしやすいというメリットがあります。低金利が続く中、社債の発行が増えています。国内の社債発行額は2016年から4年連続で10兆円を上回り、残高も2019年7月時点で約66兆円と最高水準にあります。

償還期限が50年と国債で一番長い40年よりも長い社債や、格付けがBB(ダブルB)以下のハイイールド債も発行されています。

米国と異なり、これまで国内ではハイイールド債を投資対象として見ていませんでした。しかし、消費者金融大手のアイフルが2019年に発行した社債の格付けはBB(日本格付研究所)。日本におけるハイイールド債の初めてのケースになったのです。

大手企業の債券なら安心だと思うかもしれませんが、過去には社債でのデフォルトも起こっています。代表的な企業を見ていきましょう。

会社更生法でのデフォルト

会社更生法は、債務の返済が難しい企業を再建させるための手続きです。会社更生法が申請・受理された時点で社債は「デフォルト」になります。

マイカル

マイカルは大手総合スーパーで全国に展開していました。しかし、2001年に経営破綻、会社更生法を申請しました。3500億円の債券を発行していましたが、それらのすべてがデフォルトとなり、投資家に戻ったのは額面(元本)の10~30%程度と大きな損失となったのです。

JAL(日本航空)

JALは2010年1月に会社更生法を申請し、経営破綻しました。負債総額は2兆3,221億円で、事業会社としては戦後最大の経営破綻。株券が紙くずになり話題になりましたが、発行済の債券670億年もデフォルトしました。

JALの社債の返済率は20%ほどと、投資家にとって大きな損失となりました。

海外の事例も見てみましょう

エンロン

エネルギー会社のエンロンは、2001年12月に会社更生の手続きを開始。

全米7位の巨大企業であったエンロンの破綻は、債券市場にも大きな衝撃を与えました。エンロンの債券はBBBー(S&P)という投資適格債でしたが、不正会計疑惑によりB-まで引き下げられ、破綻したのです。

当時は元本割れを起こさないファンドと考えられていたMMF(マネー・マーケット・ファンド)が元本割れをし、話題になりました。

事業再生ADRでのデフォルト

裁判所を利用しない再建計画を「事業再生ADR」といいます。会社更生法と比較して手続きが簡単なことが特徴です。

日本エスコン

分譲マンションの企画・販売を手掛ける日本エスコンは、2009年に80億円分の社債のデフォルトを起こしています。事業再生ADRを申請した企業では初のケースになりました。

国債のデフォルト

国債は社債より安全度が高い債券ですが、過去にはデフォルトを起こした国もあります。具体例としてアルゼンチンを見てみます。

アルゼンチン

アルゼンチンは過去に8回もデフォルトを引き起こしています。最大級だったのは2001年ですが、2014年までに8回目のデフォルトを起こしたのです。ようやく経済危機から脱したのは2015年になってからです。

しかし、2019年にアルゼンチン政府が債務の返済期限延長計画を示したことで、投資家はふたたびアルゼンチンがデフォルトに陥るのではないかと恐れています。

国債といっても、新興国など国によってはデフォルトリスクがあるという点には注意しましょう。

まとめ

今回はデフォルトリスクについて解説しました。ハイイールド債のBB格以下のデフォルト率は高くなります。しかし、BBB格以上の投資適格債であっても、途中で格付けが下がるリスクがあります。債券を購入するときだけなく、投資期間中も格付けを確認するようにしましょう。

 

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