債券投資の特徴とメリットについて解説!

債券は、株式と同じように個人が投資でき、収益性・安全性・流動性の3つにすぐれた金融商品です。この記事では、債券の種類やメリットについて解説します。

債券投資とは

債券は、償還日(満期日)に額面金額(投資した金額)が支払われ、決められた利子を毎年受け取れるので、収益性に優れています。

また、債券の発行体は国や地方、政府関係機関、さらに大手企業が多いことから、比較的安全な投資対象です。

ただし、あくまでも発行体がデフォルト(債務不履行)にならないことが前提です。投資する際は、必ず格付けを確認するようにしましょう。

格付けとは

発行体の信用度は、格付けを基準に判断されるのが一般的です。米国のS&P(スタンド&プアーズ)社やムーディーズ社、日本のR&I(格付け投資情報センター)やJCR(日本格付研究所)などが有名です。

格付け会社によって異なりますが、AAやBBBなどアルファベットを用いて表記されるのが一般的。Aクラスは最も安全性が高くて債務履行の可能性が高い、Bクラスは注意が必要、Cクラスは債務不履行になる可能性があります。

たとえば、S&Pの格付けは以下のようになります。

出典:S&P信用格付けの手引き

債券の種類

債券の種類は、主に次のように分類できます。

公共債

  • 国債
  • 地方債
  • 政府保証債

国債とは、国が発行する債券です。個人投資家は、「個人向け国債」を購入できます。金利が低下している局面でも、年率0.05%の最低金利保証があります。

また、都道府県や市町村が発行する地方債や、政府関係機関が発行する政府保証債があります。これらをまとめて「公共債」と呼びます。

民間債

  • 社債
  • 金融債

民間企業が発行する債券は「民間債」と呼ばれています。株式会社が発行する「社債(事業債)」や、特定の銀行や金庫(農林中央金庫や信金中央金庫など)が発行する「金融債」があります。

民間債のほうが公共債よりも利回りが高くなるのが一般的です。

債券投資のメリット

それでは、債券投資のメリットについて確認していきましょう。

銀行預金よりも高い金利が得られる

定期預金を0.01%に設定している銀行が多く、100万円預けても1年で100円しか利息がつきません。

一方、元本保証のある個人向け国債は最低下限金利を0.05%に設定しています。

社債だと年率1~2%が望めます。たとえば、個人投資家に人気があるソフトバンクグループの社債は、2019年9月に国内社債(年限7年)の利率を1.38%に決定しました。

株式と同じ有価証券でありながら、安全性が高く、銀行預金より高い金利が望めるという点は債券のメリットです。

途中で売却できる

債券は原則として満期まで保有する金融商品です。満期まで保有すれば、額面金額で償還されます。ただし、急にお金が必要になった場合は、売却も可能です。

途中で売却すれば損失がでる可能性がありますが、換金性が高いというのも債券のメリットです。

選択肢が多くある

債券には、発行体や利回り、年限などさまざまな種類があります。自分の資産運用の目的に合わせた選択ができるのです。とくに、最近は企業が発行する社債が増えています。

社債の利率は以前より低くなっているものの、企業は低コストで資金調達ができるので、日本の社債市場は発行ブームに湧いているのです。2019年9月までの社債発行は10兆円を超え、1998年の14兆円の年間記録更新が視野に入っています。

利益計算がしやすい

株価は上下に動くので、どれだけの価格変動があるのか完璧に予測することはできません。また、利益を確定させるためには、タイミングを見て売却する必要があります。

しかし、債券は利率と償還が決まっているので、どの程度の利益を得られるか計算が比較的容易です。将来受け取る金額がわかっていれば、資金計画もスムーズにたてることができます。

ペイオフ対策としても使える(国債)

銀行預金は元本保証ですが、ペイオフにより1000万円を超える部分については保護されません。一方、国債は国の保証がついているので元本保証です。

購入の上限は1億円で毎月募集されているので、資産家にとっては、ペイオフ対策として国債に投資することもメリットになります。

売却益が狙える

債券の価格は金利の影響を受けます。金利が上昇すると債券価格は下がり、金利が低下すると債券価格は上昇します。

金利が低下する局面では、債券を売却することによって利益を得られる可能性があるのです。ただ、債券はどこで売約すればいいのでしょうか。

発行市場と流通市場

債券市場は発行市場と流通市場に分けられます。債券が新たに発行される市場が「発行市場」です。これに対し、すでに発行された債券(既発債)を売買する市場を「流通市場」といいます。

個人投資家は、債券を証券会社に売り、証券会社は市場を通じて売却します。債券の価格は市場の金利状況や発行体の信用リスクなどによって価格が変化しています。流通市場で債券を売却することによって、売却益を狙うことも可能なのです。

日本の債券市場では、債券価格を表示する際に額面金額100円をベースに表示します。途中で売却した場合、債券価格が100円未満であれば損失、100円を上回っているなら利益になります。

たとえば、額面金額100円で購入した債券を110円で売却すれば、10%の値上がり益を得ることができるのです(手数料や税金は考慮せず)

途中で債券価格が下落していることもありますが、償還日まで保有すれば額面金額で返ってくるので安心です。

まとめ

今回は、債券投資のメリットについて解説しました。

  • 銀行預金よりも高い金利が得られる
  • 途中で売却して利益を狙える
  • 利益計算がしやすい

など様々なメリットがあります。

債券投資の際の参考にしていただければ幸いです。

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