債券投資は株式投資とどう違う?メリット・デメリットは?

債券は株式よりも安全性が高い有価証券ですが、銀行預金よりも高い金利を得ることができます。この記事では債券投資のメリット・デメリットと、株式投資との違いについて解説します。

債券とは

債券は、国や企業などが不特定多数の人から資金を調達するときに発行される有価証券。国債や社債など様々な種類があり、償還までの利率や期間もいろいろあります。

債券の種類

債券の種類は、主に次のように分類できます。

公共債

  • 国債
  • 地方債
  • 政府保証債

国債とは、国が発行する債券。また、地方公共団体が発行する地方債や、政府出資の特殊会社などの政府関係機関が発行する政府保証債があります。

これらをまとめて「公共債」といいます。

民間債

  • 社債
  • 金融債

民間企業が発行する債券は、「民間債」と呼ばれています。株式会社が発行する「社債」や、特定の銀行や金庫(農林中央金庫や信金中央金庫など)が発行する「金融債」があります。

債券投資と株式投資の違い

投資で得られる利益には、「キャピタルゲイン(値上がり益)」「インカムゲイン(配当金や利息)」の2種類があります。株式と債券はどちらの利益も狙えますが、

  • 債券投資は、インカムゲインがメイン
  • 株式投資は、キャピタルゲインがメイン

です。

債券は償還期限の前に売却すると、キャピタルゲインやキャピタルロス(損失)が発生します。しかし、償還(満期)まで持てば、額面金額(投資した金額)が戻ってきます。

一方、株式には償還期限が存在しないので、換金するときは市場で売却しなければいけません。その時に、大きな利益になる可能性もありますが、損失になる恐れもあるのです。

債券の利率と株式の配当利回りを比較

以前は債券の金利の方が株式の配当利回りよりも高いのが当たり前でした。しかし超低金利が続く中、企業が発行する債券は金利が2%を超えるものはほとんどありません。たとえば、個人投資家に人気が高いソフトバンク(9984)の国内社債(2019年9月発行・年限7年)の利率は1.38%。2009年には5%を超えたこともありましたが。低水準です。

現在の東証1部の配当利回り(配当÷株価)は2.04%(2019年10月時点)。株式投資は元本割れのリスクもありますが、利回りでも株式投資の方の魅力が高くなっているのです。

債券投資のメリット・デメリット

基本的には安定して利益を生み出すことができ、手間もかからない簡単な債券投資ですが、メリットと共にデメリットも紹介していきます。

債券投資のメリット

  • 半年に1回など定期的に利子を受け取れる
  • 途中で売却して換金できる

債券投資のデメリット

  • 途中で売却すると損失になることがある
  • 発行体の財務状況が悪化すると、デフォルト(元本や利子の支払い不能)リスクがある。

債券投資のポイント

債券では、満期保有を前提として投資対象を決めます。ですから、できるだけ利率(額面金額に対して毎年受け取る利子)が高い債券を選びたいところですが、発行体のリスクがあります。

債券の利率は、発行体の信用力や期間によって異なるのです。発行体の信用力は格付けで確認することが可能です。格付けはA~Cで表され、格付けが高い(A格)だと利回りは低く、格付けが低い(B~C格)と利回りが高くなる傾向にあります。

債券と金利の関係

利と債券価格の関係は、以下の通りです。

 

金利 上昇 低下
債券価格 下落 上昇

金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が低下すれば債券価格は上昇します。

債券は満期まで保有すれば、利益や損失は発生しません。しかし、途中で売却する場合、金利が上昇していれば債券価格は値下がりするので、損失が発生します。

金利と株式市場の関係

景気が良い時

景気が良くなると、企業の資金調達ニーズが高まり金利は上昇します。企業業績が向上するという期待も高まるので、債券よりも株式の方が投資対象としての魅力が高まり株価は上昇します。

金利 上昇
株価 上昇

景気が悪い時

一方、景気が悪い状態で金利が上昇すると、企業の借入コストが上昇するため設備投資を縮小します。個人消費も停滞し、企業業績の不安から株価は下落する傾向にあります。

金利 上昇
株価 下落

金利上昇局面でも、株式と債券のどちらにお金が流れるかわからないので、景気動向を見極めることが大切なのです。

おすすめの債券投資

個人向け国債

初心者が債券投資を始める場合、個人向け国債から始めるのがオススメです。債券投資にはまとまった資金が必要になると思う人もいるかもしれませんが、個人向け国債なら1万円から始められ、年率0.05%の最低金利保証がついているからです。

個人向け国債は、発行時に設定された利率が変わらない固定金利型の「固定5年」「固定3年」と、半年ごとに適用する利率が変わる「変動10年」の3種類から選べます。

まとめ

今回は債券投資と株式投資の違いについて解説しました。もっとも大きな違いは、株式投資が値上がり益(キャピタルゲイン)重視なのに対し、債券投資は満期まで保有して、その間の利子収入(インカムゲイン)がメインだということです。

株式投資より収益率が劣るものの、債券は安全性が高く、銀行預金より高い利回りが狙えます。債券と株式の違いを押さえ、債券投資と株式投資をうまく使い分けるようにしましょう。

 

 

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